「厚生年金基金」と「厚生年金」は名称が似ていますが、運営の仕組みなどがまったく異なる別物です。その違いがわかるようにまとめてみたので参考にしてみてください。

厚生年金基金とは?

厚生年金基金は企業が管理運営している法人

厚生年金基金とは
厚生年金基金は企業が設立した法人です。国が本来行う厚生年金(老齢厚生年金)運営業務の一部を代行し、厚生年金基金独自の給付を上積みすることで、厚生年金にのみ加入している場合よりも多くの年金を従業員に支払うことを目的としています。

厚生年金基金の給付は基本部分と加算部分の2本建て

厚生年金基金の給付は本来、保険料を集めたり給付したりする厚生年金運営の一部分を国に代わって行う「代行部分」にプラスアルファを上乗せした給付と、厚生年金基金が独自で設計した「加算年金部分」との2本立てで給付されます。

厚生年金基金の設立形式は3種類

企業が設立する厚生年金基金には主に3つの種類があります。

1.単独型
一企業だけで設立される厚生年金基金。1,000人以上の加入員規模が必要であり、主に大企業が自社の企業年金制度をカバーする目的で設立しています。

2.連合型
主力企業を中心に、関連会社(グループ会社や子会社)がいくつか集まって共同で基金を設立し運営するものです。

3.複合型
例えば繊維や鉄鋼など同業であること等のルールの下に集まった会社が共同で基金を設立し運営するものです。加入員規模が単独では1,000人に満たない中小企業同士で基金を設立できます。