「厚生年金基金」に代わる制度が「確定拠出年金」

確定給付企業年金に移行する厚生年金基金が相次いだ
バブルがはじけ、厚生年金基金では高い資産運用の利回りができない時代へと突入すると各基金の財政が悪化し始めました。加入者に以前のように加算年金を給付するのが難しくなった厚生年金基金に代わり、従業員の退職後の生活保障を補うための制度として「確定拠出年金」という新しい制度が登場したのです。

確定拠出年金は自己責任で運用
確定拠出年金には個人型と企業型の二種類がありますが、この場合の確定拠出年金とは後者を指します。確定拠出年金とは、企業が従業員に代わり掛け金を負担(拠出)し、従業員は自身の口座に積み立てられた掛け金を運用して自己責任で資産を形成する仕組みです。運用商品としては元本が確保される定期預金や保険、元本が変動する投資信託など様々な種類がありますが、リスクやリターンを検討して自分の判断で選びます。運用用品をいくつか組み合わせたり、一つだけで運用するのも自由なのです。

厚生年金基金の加入と請求について

厚生年金基金は給付を受けるためには請求が必要です。しかし請求漏れ(もらい忘れ)が非常に多いと言われています。厚生年金基金の加入と請求について確認しましょう。

厚生年金基金の請求漏れが多い

厚生年金基金の請求漏れが多い理由として、下記のような点が挙げられます。
・自分が厚生年金に加入していたことはわかっているが、基金にも加入していたと言う意識がなかった
・厚生年金と厚生年金基金を同じものだと勘違いしていて、別々に請求する必要があることを知らなかった
・転職などで厚生年金基金がある複数の会社で働いていたが、それぞれの基金に請求が必要なのを知らなかった

名称が似ているために、別物である厚生年金と厚生年金基金を混同してしまうこともあるようです。厚生年金の一部が厚生年金基金から支給されるので、請求漏れがあるとその分国から支給される年金が少なくなってしまいます。